こうぞって何?その特徴や使い方、食べ方まで徹底解説!

こうぞって何?その特徴や使い方、食べ方まで徹底解説!

 皆様は「こうぞ」という名前を耳にしたことはありますか?

どこかで聞いたことがあるんだけど…和紙関連の話題で聞いたような…というように、聞いたことがあるような気がするけどよく思い出せない、という方が大半ではないでしょうか。
本記事では「こうぞ」とは何か、その特徴や主な使われ方、さらには食べ方まで、「こうぞ」について徹底解説いたします。

最後まで読めば、これまで知らなかった「こうぞ」の魅力に取り憑かれること間違いありません。

それでは早速、こうぞをどうぞ!

 

[目次]

 

 

1. こうぞって何?

こうぞって何?

 「こうぞ」とは、クワ科コウゾ属(またはカジノキ属)の植物で、漢字では「」と書きます。

こうぞは古くから和紙の原料として知られており、「こうぞ」という名前も「紙麻(かみそ)」という言葉が「かみぞ」→「かうぞ」→「こうぞ」と変化したという説もあるそうです。

原産地は日本をはじめとするアジア一帯のようです。

 こうぞは「ヒメコウゾ」と「カジノキ」の交雑種と言われています。

こうぞとカジノキは厳密には異なる植物で、葉に切れ込みがあるものがこうぞ、ないものがカジノキと言われているようですが、両者を判別することは容易ではなく、古代では両者は混同されているケースが多いようです。

 こうぞは成長すると高さ5mほどまで伸び、4月〜6月ごろに花が咲きます。

ただし、和紙づくりの際には定期的に枝を落とし、毎年冬には刈り取るため、高さは34mほどに抑えられています。

ちなみに、こうぞの花言葉は「過去の思い出」とされています。

 

2. こうぞはどこで育てられている?

こうぞはどこで育てられている?

 こうぞは古代から和紙の原料として使われてきたため、日本に和紙づくりが伝来し本格的に国産化されだした頃(奈良時代)には、全国各地の紙漉きが行われた土地の近くでこうぞの栽培がスタートしました。

現在では高知県本山町・いの町、茨城県大子町・常陸大宮市などが主な産地となっており、特に大子町産の「那須楮」は全国の紙漉き職人から高い評価を得ています。

その他、全国の山間部の傾斜地に栽培されることが多いですが、現地での栽培が放棄され野生化していることもあるそうです。

2014年にユネスコ無形文化遺産となった細川紙の技術で有名な埼玉県小川町・東秩父村でもこうぞは栽培されており、細川紙の指定基準には「原料はこうぞのみであること」という記載もされています。 

また、海外ではタイ、中国、パラグアイなどでこうぞが生産されており、現在では日本国内で流通しているこうぞの約半分は海外産であると言われています。

和紙づくりにおいては、特に中国産のこうぞの一部には「那須楮」に匹敵する品質を持つものも出ていているほか、パラグアイ産のこうぞに関しても国産とほぼ変わらない品質でありながら価格が安いそうです。

※参考:日本特用林産振興会HP

 

3. こうぞは主に何に使われている?

こうぞは主に何に使われている?

 前述のとおり、こうぞは主に和紙づくりの原材料として製紙法とともに中国から伝来し、国内で徐々に改良が加えられたと考えられるため、現在でも主な用途は和紙の原料となっています。

しかし、明治時代に洋紙が流入してきたこと、戦後の高度成長期に生活様式が大きく変化したことなどで、和紙の需要は減少の一途を辿っているのが現状です。

特に生活様式の変化により障子や襖などの建具としての和紙需要が大幅に減少し、さらにより低価格を求める消費志向に応えるため、原価の安い外国産こうぞの輸入を開始。

その結果、国内産こうぞの価格も下落し、生産者の高齢化もあいまって生産地も年々減少しています。

このままでは和紙づくりやこうぞの栽培という日本が世界に誇れる伝統の技が途絶えてしまいかねません。

 こうぞをめぐる状況を改善するため、近年ではこうぞを和紙づくり以外に活用する取り組みも生まれています。

私たちが運営している食品ブランド「OGAWA楮寿園〈おがわこうじゅえん〉」もその取り組みの一つです。

小川和紙の原料として埼玉県小川町で栽培されているこうぞのうち、和紙づくりに使用する白皮ではなく、栽培の途中で廃棄してしまう芽や葉に注目。

食材として活用し、ご当地土産としてブランド化し販売するというプロジェクトを進めています。

 

4. こうぞに含まれる栄養素って?

こうぞに含まれる栄養素って?

 こうぞを食材として活用するにあたり、まずは本当に食べていいのか、どんな栄養が含まれているのか、小川町産のこうぞの栄養調査を専門機関に依頼しました。

その結果、驚くべきことに、牛乳の約2.5倍のカルシウム、赤ワインの約1.6倍のポリフェノール、豆乳の約1.5倍のタンパク質、さらには食物繊維など非常に多くの栄養素が含まれており、まさにスーパーフードと言っても過言ではないことが判明したのです。

また、ノンカフェインでもあるので、妊娠中の方やカフェインの苦手な方でもお召し上がりいただける、優良な食材であることもわかりました。

この栄養豊富なこうぞの芽を活用し、食べやすく・飲みやすくするためにはどうすれば良いのか地域の事業者の皆様と試行錯誤を重ね、商品まで至ったのが「こうぞのガレット」と「こうぞのハーブティー」です。

こうぞの芽を細かく刻んで練り込み、バターの豊かな香りに少し塩を効かせて一枚ずつ丁寧に焼き上げた厚焼きクッキー「こうぞのガレット」は、ワインやウイスキーのお供にもぴったりな大人向けの濃厚な美味しさ。

楮の芽を風味そのままに乾燥させ、季節のハーブと合わせた「こうぞのハーブティー」は、午後のひとときや夜のおやすみ前のリラックスタイムに最適です。

OGAWA楮寿園〈おがわこうじゅえん〉

5. まとめ

 本記事では、「こうぞ」とは何か、その特徴や産地、主な使われ方、さらには食材としての活用までご紹介いたしました。

日本に伝来して1300年以上が経つこうぞですが、まだまだこれまで考えられていなかった新しい活用法が期待される、可能性にあふれた植物・原材料・食材と言えるでしょう。

私たちが挑戦している食材としてのこうぞの活用が、埼玉県のご当地ギフト・ご当地スイーツの代表と呼ばれるほどに成功すれば、こうぞの耕作放棄により和紙づくりの伝統が途絶えるという事態を、微力ながら少しは食い止められるかもしれません。

「こうぞ」にまつわるストーリーが詰まっている埼玉県小川町発のスイーツギフト「OGAWA楮寿園〈おがわこうじゅえん〉」を、ぜひどうぞ。

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