小川町の和紙について
埼玉県小川町一帯は、古くから日本有数の和紙の生産地として知られてきました。
特に「細川紙」の技術は、2014年11月にユネスコ無形文化遺産に登録されるなど、海外からも高い評価を受けています。
和紙づくりの流れ
和紙は、10段階の工程を経て生まれます。
12月ごろに原料の楮を刈り取るところから、和紙づくりが始まります。
それゆえ、冬は和紙づくりの季節と言われてきました。
以下におもな工程をご紹介いたします。
【削】(楮ひき/かずひき)
比企地域では楮のことを「かず」と呼びます。
和紙の原料のこうぞの黒皮を白皮へと削る工程を「楮(かず)ひき」といいます。
一番外側は寒さ暑さから身を守るための部分「鬼皮(おにかわ)」。
その下の緑色の部分が「あま皮」。
あま皮を剥ぐと、和紙になる重要な部分「白皮(しろかわ)」が現れます。
【取】(ちりとり)
あく抜きのすんだ楮の皮から不要な部分を取り除く工程です。
繊維についた塵や不良な繊維を指先で丁寧に取り除きます。
この作業を丁寧に行うことで、より白い和紙になります。
【叩】(楮叩き/かずうち)
「楮打棒・木槌」で叩いて楮の繊維を叩きほぐし、綿のようになるまで、叩きほぐしていく工程です。
繊維が細かくなるように手前に引きながら叩きます。
ほぐした楮を、とろみのついた水に入れてかき混ぜ、専用の道具ですくいあげると、和紙の姿が見えてきます。
【漉】(和紙漉き/流し漉き)
漉舟(紙漉き槽)に水を張り、ほぐした楮とトロロアオイの粘液を混合し、「簀桁」(すげた)で一枚一枚漉きあげます。
和紙づくりでは不要とされていた楮の「芽」
原料の楮のうち、和紙になるのは「白皮」の部分のみ。
その他の部分は不要とされ、従来は廃棄されていました。
これらの廃棄されていた部分のうち、楮の「芽」の栄養素に着目し食品化したのが、「OGAWA楮寿園」です。